編入試験と対策
一般コース推薦入試・一般コース学力入試・GACコース推薦入試・GACコース一般入試がある。
一般コース推薦入試は書類審査のみであり、一般コース学力入試は一般科目及び専門科目の筆記若しくは面接がある。
GACコース推薦入試は書類や面接で、GACコース一般入試は書類、面接、小論文である。
ここではGACコース一般入試について説明する。
小論文のテーマは難しくはないが、先生方に添削をしていただくことを推奨する。
面接は、英語と日本語を交えて行われるが語学能力を深められるという期待を抱いてこのコースを志望している人であるならば返答できる内容である。事前に、志望動機、将来像、GAC生としてどういう振舞いをすべきか、自身の研究内容、興味のある分野などを英語で答えることができれば問題ない。また、日本語並みの長文で流暢に返答できなくても、相手に伝えようとする意志やとりあえず何かを答えようとする意志をみせることが大切である。
大学の雰囲気・特徴
大学は市街地から5 kmほど離れた立地にあり、公共交通機関でのアクセスはバスのみである。このバスは、豊橋駅から40分500円程度で、渋滞により大幅に到着時刻が遅れることが多々あるため余裕を持った移動計画をたてる必要がある。
最終バスが22時くらいであり、運賃も高いことから、豊橋技術科学大学生(技科大生)の多くは、二輪もしくは車による通学や移動をおこなっている。
大学周辺に商業施設はほとんどなく、市街までも距離があることから、学内敷地にある寮暮らしをおこなっている技科大生にとって、原動機の無い乗り物での移動は難しい。事情を知らないためか入寮と共に自転車を持ってくる人が多いが、その使用用途は学内移動や近場のコンビニ、遠くても最寄りのイオンまでであることが多く、半年ほど自転車生活で頑張るものの、行動範囲に限界を感じて原付を購入する者が多い。
大学周囲に存在する徒歩圏内の商業施設はコンビニ4件(内1件は学内のデイリーヤマザキ)、道の駅とよはし(野菜の直売所やフードコートなど)のみである。自転車を常の移動手段とする寮生で自炊している場合は、片道10分程度の距離にあるイオン豊橋南店で食材を購入していることが多い。
また、Ubereatsや出前館などの宅配サービスは、寮(大学)がエリア範囲外であり、ピザの出前やイオンの宅配サービスしか対応していない。そのため、自炊や出前をしないというのであれば近くのコンビニか学食(味、量、値段は我慢)の利用となる。
GAC生は、学部3年、4年はシェアハウス(寮)で留学生と暮らすことが卒業必須要件となるため、最低2年間は僻地生活を覚悟しておくべし。一方で、学校から離れた市街エリアでアパート生活をする場合は、渋滞を除いて不便と感じることは少ない(車社会で暮らすということが大前提ではあるが)。
豊橋市は一通りの商業施設があり、また、三大都市圏(東京、大阪、名古屋)へのアクセスがしやすいため、絵に描いたような理系学生であれば事足りるであろう。
サークルは多種多様であり上下関係もほぼなく楽しめると感じた。しかしながら3年次編入であることから、2年間ほどしか楽しめないのが少々残念な点である。また、院進学しても、研究活動が忙しくサークルに割くことのできる時間はかなり減少するか、ゼロとなる。
友人関係については、高専出身者同士、学内進学者同士で固まる場合が多いものの、3年次の授業におけるグループワークや研究室で友人ができる。この大学は似たもの同士が多く、みんな気さくな傾向にあるので編入だとしても問題ない。人付き合いの苦手な人でも一人でやっていける大学だとは思うが、テスト対策などで不利だし、人として交友関係がないというのはこれから苦労すると思うので、友人だけは頑張ってつくりましょう。
異性との出会いについては、双方が積極的でないため学外で見つけるのが無難である。近頃の多様性を容認する社会の動向からか本学でもダイバーシティの推進がなされており、学生においても同性愛者同士や留学生との交際が多いというも本学の特徴である。
学園祭については回答できない。というのも、実行委員や出演サークルだけの身内感満載祭(と感じてしまうような内容)であり、屋台は出店せず、他大学や高校生などの学外の人が全く来ないということもあり、興味が湧かないからである。その他のイベントも大して盛り上がらないので期待をしない方がよい。本学では勉強と研究しかやることがないと割り切って学外のイベントを楽しみましょう。
授業は3年次で多くの単位を修得しておく傾向にあり、入学後半年ほどは忙しいためバイトやサークルに割り当てられる時間が少ない。
編入して良かったことと悪かったこと
高専在学中は大学に進学する気はなかったのだが、高学年になり学生生活が物足りず延長したいという気持ちで入学した(こういう気持ちで入学するのはご法度であるがそう思う人も少なくないだろう)。結果として後悔はしておらず、むしろ高専を卒業して就職というルートを選択しないでよかったと感じる。
理由は2つある。
1つ目は、学部と修士での研究生活を通し、自分の強みと弱みを見つけることができることである。何が強みで何が弱みだったのかについては書かないが、研究から逃げ出すことさえしなければ嫌でも成長することができ、自分と向き合う機会が必ず訪れる。
高専の研究とは比べ物にならないほど大変だと感じるだろうが、研究は研究内容だけでなく、人間性、価値観、倫理観などを深めることができ、自由な振舞いができるという学生だけの特権を最大限に活用できる。
社会人となる前に自分と向き合ったり、視野を広げて理解を深めたりすることができる貴重な機会が得られる。
2つ目は、就職後の待遇が高専卒よりも遥かに良いことである。これは、能力や環境などの個人差に左右されると思われるが、院卒であれば少なくとも初任給や業務内容は高専卒より高度なものとなる。もし、高専卒にしかできない業務をしたいというこだわりがないのであれば、進学しておいたほうがおすすめである。
一方で、院卒という能力が求められるため、それなりの勉強や研究などの覚悟はしておかなければならず、耐えられそうにない場合は進学しないほうがよい(在籍していた研究室では毎年必ず最低1名は行方不明となるので)。
GACコースに関しては不満がある。一般学生との差は、2年間シェアハウスで留学生と暮らす(ルームメイトはほぼ日本人で会話も日本語)、GAC学生だけの授業が少々(英語やリーダーシップに関して)、実務訓練が海外で実施程度であり、課題もほとんどなく放任されている。加えて、授業以外は一般学生でも希望すればできるため、意義を感じられなかった。
高専生に向けて一言
豊橋技術科学大学は高専出身者にとって過ごしやすい大学で、僻地生活もしばらくしたら慣れる。文系のような学生生活を堪能することは難しいが、研究設備も十分に整っており、勉学には最高の場所である。もし卒業か進学かで悩んでいるならば進学をおすすめする。
一方で、大学に編入学したいが、編入試験の勉強が嫌だという人にとって(英語ができるならば)好都合の編入試験であると思われるが、大学は学問を追及する場であり、学生期間を延長したいという安易な気持ちで編入学しないほうが身のためである。