東京工業大学

編入試験と対策

推薦はなく学力試験のみ

数学・物理・化学・英語の4科目試験結果で選別する。得意不得意もあるが、基本的に数学・物理・英語はどんぐりの背比べになりやすい。多くの工業系高専生(化学系高専生以外)は化学で一番苦戦するので、化学をしっかり対策し、良い点を取って差をつけたいところ。

ただ、高専生の化学は高校レベルなので、大学レベルまで独学する必要がある。化学の先生に勉強の支援をしてもらった人もいるため、一度聞いてみると良いだろう。

併願は電通大や農工大あたりを受けてる人が多い。

大学の雰囲気・特徴

東工大は高専編入生がぼちぼちいるため、肩身が狭いとかそんなことはない。実は現学長である益一哉学長も高専編入生である。また、留学生や大学院入学の学生といった学部内部生以外の人も多いため、学内は比較的オープンな雰囲気だと思う。

一方で編入生は進学&卒業単位が足らないため、学部時代は勉学で非常に忙しい。単位振替しても進学不可能な場合は、指導教員が進学可能な単位数まで調整してくれるため、安心して良い。ただ、年間取得可能な単位上限ピッタリで進学可能なレベルであるため、落単などもっての外である。

特段講義が難しいわけではなく、高専の延長である科目が多いため、普通に勉強していれば楽勝で単位はとれる。

入学料・授業料免除システムはしっかりしていて、貸与・給付型奨学金は豊富なため、都会暮らしであっても経済面で心配することはない。数年前まで月1万円の寮が存在したが、老朽化により解体されてしまった…。家賃を安く抑えたい場合は日吉(横浜市)あたりに住むと、目黒線始発駅であるため都合が良い。

大岡山キャンパスは駅の目の前で、すぐ近くに商店街もあるため、非常に便利。一方、すずかけ台キャンパスは住宅地の中にあるため、大岡山に比べると不便に感じるかもしれない。2駅先は自由が丘であるため、誰かと食べに行く時は困らない。自由が丘を経て渋谷に出るのも容易。東急の恩恵を全面に受けて生活することができる。

ちなみに、東工大は修士進学率90%以上であり、学部卒就職は少数派である。私も当初は学部卒就職しようと考えていたが、修士卒が当たり前な就活状況になっていたため、流されて結局進学した。基本的には編入後に4年間在学することを念頭に置いて、人生設計すると良いと思う。

編入して良かったことと悪かったこと

東工大の良いところはアカデミックな研究活動にあると思う。世界に名を轟かしている教授が沢山いらっしゃり、研究費が潤沢(?)であるため、世界最先端レベルの研究ができたりする。ただ、自発的に面白い研究をするには、それ相応の労力が必要であるため、人によってはブラックだと感じるかもしれない。研究室見学などで自分に合った研究室を探すことが重要である。

悪いところとして、施設や設備は良い一方で建物が古すぎることである。10階以上の建物でもエレベーター古く、遅すぎることがある。あと、年間授業料が60万で一般の大学より10万高い。ただ、授業料免除の枠は増えているため、良いのか悪いのか…

高専生に向けて一言

基本的に大学編入はもっと勉強してみたい人やアカデミックな研究をしてみたい人向けの進路である。勉強嫌な人は就職してしまった方が生涯年収は高くてお得だと思う。学部卒就職か修士進学か選ぶ時も同じ。

学部卒の方が生涯年収は高いが、修士卒だと研究に近い職に就ける。さらに博士卒だと、海外の企業に就職できたり、将来企業を辞めて教授になれたりする。

自分の価値観や人生観に合わせて、進路を選ぶのが重要。

大学編入