信州大学

編入試験と対策

推薦入試・一般入試がある。

推薦基準は学科によって異なる。また、推薦入試の内容も学科によって異なるため、私が受験した機械システム工学科の内容について説明する。

機械システム工学科の推薦基準は成績の上位30%以内である。クラスが40人だと12位以内が該当する。推薦入試の試験内容は面接だけで口頭試問はない。志望動機や大学に入って行いたいこと、研究のことについて多く聞かれた。

高専生はこの時期は研究が本格化していないと思うため、自身の研究については事前にまとめておくほうが良い。また、面接のみのため、志望動機の作成や面接練習には力を入れた。

推薦入試の場合はほとんど合格するため、面接練習をしっかり行えば問題ない。推薦基準を満たしていれば、難易度は低い部類だと思う。

一般入試は数学のみである。教科数が少ないため、以前は滑り止めとして受ける人が多かった。しかし、一般入試による合格者数が少ないため、近年は受験者が少なめである

大学の雰囲気・特徴

信州大学の最大の特徴は広域型キャンパスである。

松本キャンパスを本拠地とし、長野市内に長野(教育)キャンパスと長野(工学)キャンパス、上田キャンパス(繊維学部)、伊那キャンパス(農学部)に分かれる。それぞれの地域と積極的に連携しており、地元企業との共同研究も多い。

学部1年生は松本キャンパスに集められ、2年生からそれぞれのキャンパスに移る。編入の場合は、松本キャンパスに行くことはなく、工学部の場合は長野市、繊維学部の場合は上田市となる。単位の振替も、松本に行くことがないように考慮してくれる。

松本キャンパスはthe大学といった雰囲気があるが、長野(工学)キャンパスは工学部生しかいないため、雰囲気は高専と変わらない。女子が少ないのも相変わらずである。(泣)

サークルはそれぞれのキャンパスで共通のものや、そのキャンパス特有のものがある。それぞれのキャンパスで共通のサークルは、平日はそれぞれのキャンパスで活動し、休日に松本に集まるタイプが多い。一方で、各キャンパス特有のサークルは、内部生も2年生から入るため、3年次編入生でも入りやすいと思う。

長野(工学)キャンパスは長野駅から徒歩20分ほどである。長野市の中心街にあるため、生活には特に困らない。大学周辺はスーパー、ホームセンター、飲食店、床屋、コインランドリーなど、あらかた揃っている。駅周辺は飲み屋が多く、基本的に駅前で飲むことが多い。自転車があれば生活に不自由はない。

キャンプやスキー・スノーボードを楽しむ人が多い。キャンプ場やスキー場に行くためには車が必須であるため、この手の趣味を持つ人は車を所有している人が多い。

ちなみに、私は実家から通学しているが、大学内は学生の車は駐車できないため、近くに月極駐車場を借りる必要がある。月4,000~5,000円ほどだと思う。バイクは学生も校内に駐車できる。

サークルに入らない限り、あまり内部生と仲良くなる機会はない。編入生同士は自然と仲良くなり、助け合って生活する。4月に編入生の先輩も含めた親睦会がある。

研究室配属は成績順に希望が通りやすい。以前は、GPA(履修科目の成績平均値)が基準であったが、現在はGPT(履修科目の成績合計値)が基準であるらしい。GPAの場合は平均であるため、編入生と内部生で大きな差が出にくいが、GPTは成績の合計であるため、3年次に多く講義を履修しないと成績上位は難しい。

内部生は1、2年次に比較的多く単位を取っているため、3年次は余裕があるが、編入生は3年次の授業をただでさえ多く取らないと進級が難しいため、現在の制度で成績上位を目指すとなると大変かもしれない。

大学院入試も推薦と一般がある。推薦の場合は面接のみであるため、できるだけ成績上位を狙うと良い。一般入試の場合は口頭試問で材料力学の問題を解く必要がある。信州大学の編入ではあまりTOEICの点数は重要視されないが、大学院ではTOEICの点数も必要であるため、勉強しておいたほうが良い。

学園祭は高専に比較し規模が小さい。高校生向けのオープンキャンパスを同時に行うが、そちらが主である。その他のイベントとして、機械システム工学科では研究室対抗のソフトボール大会を行っている。

また、同時に下級生との交流会があり、下級生が研究室のことについて質問する機会がある。このイベントは学生主体であるため、開催されないこともあり、近年はコロナの影響で行っていないため、今後の開催は不透明である。

近年では、これとは別に、研究室インターンシップがある。こちらは、大学の正式なシステムであり、3年次に興味のある研究室で、研究の体験などを行う。他学科や他大学には仮配属などもあるが、それよりはゆるい感じである。これも、最近はじめた試みらしく、まだ実験段階であり、今後どうなるかはわからない。

編入して良かったことと悪かったこと

大学に入って良かったことは、将来に対する選択肢が広がること、将来を選択するための材料を多く持つことができたことである。やはり高専より大学のほうが入れる企業も多く、自分のやりたい仕事が高専卒では出来ない場合は、大学に行くことをおすすめする。また、大学院まで行けば、それなりに社会のこともわかり、自分にとってベストな選択ができると思う。

信州大学は、学部までの勉強では他大学と大きな違いはないと思う。研究では、医学部が強いことから、早くから医理工連携を勧めており、その分野に興味のある人にはおすすめかも(大変だけど)。地方国立大にしては研究力があるらしく、しっかりした研究室に入ればレベルの高い研究が行える。

大学に入って悪かったことは、研究がきつく寿命が削られたこと。しっかりした研究室は共同研究も多く、比較的研究も大変だから、相応の覚悟をもって。共同研究は響きが良いけれど、実際は響きより大変さが勝る。

高専生に向けて一言

大学の指導方針として、そこまで特色がある方ではないと思う。そのため、自分から積極的に行動していかないと、就職活動のときにアピールできる点がなくなると思う。逆に、自分は信州大学でこの研究・活動がしたいという強い気持ちがあれば、有意義で意味のある大学生活が送れると思う。

個人的には専攻科で研究をして、他大学の研究室の情報を集めながら、大学院進学もありかなと思う。

大学編入